一夜にして世界を変えてしまう”雪の魔法”と”天から送られた手紙”|編集長コラム

硫黄山ストリート冬
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こんにちは!やまちゃんです。

11月ももう終盤ですね。気がつけば、冬に備えて漬物や飯寿司を漬けたとか、防寒対策に窓にプチプチを貼ったとか、見込み量を間違えて足りなくなった薪を必死で割ったり(笑)。そんな話が聞こえてくる季節。

今年は特に例年より少し冷え込みが厳しいように感じる・・のは毎年のことでしょうか。雪もやや多い気がします。今月の積雪はすでに3回。明日の朝も降る見込みなので積雪の観測回数はまだ増えそうです。

雪景色。いいですよね。

川湯駅前から見る朝焼けの硫黄山

やまちゃんは弟子屈町に暮らして5年半。今回で6度目の冬を迎えます。ネイティブな弟子屈町民からすれば気にも留めないのかもしれませんが、冬の始まりにやってくる『初雪』から『根雪』になるまでの期間は”特別な時間”です。

やまちゃんは冬が好きなのです。

観光シーズンの合間の時季、町は静けさを取り戻し、木々は葉を落とし森の中が見通せるようになります。夏の間、森の茂みに隠れて見つけられなかったエゾシカの姿を光の差し込む森の奥に見つけたり、夏のにぎやかな鳥たちが南へ旅立ち、入れ替わるように冬の使者のオオハクチョウがやってきて、空にはオジロワシが優雅に舞う。

季節の変わり目に起きる変化を見つけるのが楽しいです。

雪の魔法とカッコイイという形容

そんな中でも特に初めての雪が見せてくれる景色には心奪われます。

斜里岳の冠雪

弟子屈町に初雪が降る前、標高の高い知床斜里岳で初冠雪する日。昨日までとはまるで違ったカッコよさを見せてくれます。今年は10月だったかな。この姿が本当にカッコいい。

いつの頃からか、美しいとかキレイといったありふれた表現から『カッコいい』という言葉を使うようになりました。それは、昨日までなかったものが突然現れて見惚れてしまう時だったり、いつになく清みわたった青い青い空だったり、獲物を捕まえたキツネの野性味のある鋭い目線だったり。カッコいい瞬間がいくつもいくつもある。

青空

その中でもひときわ目を引くのが『初雪』です。初雪は降ってもすぐに融けてしまうので、そのあと再び積もる雪も同様、根雪になるまで同じくです。

朝目覚めるといつもと少し違う空気。「なんだか静かな朝だな」と思って、カーテンを開けると磨りガラス越しに白いのがわかる。そして、窓を開けるとまるで魔法にでもかかったように一面に真っ白な世界が広がる。その瞬間がたまらなく好きです。

まだ誰の足跡もついていない、いやよく見るとキツネの足跡。寒さも忘れて魅入ってしまいます。急いで着替えて外にでるものの、もったいなくって最初の足跡をつけるのをちょっとためらってみたり。

雪が積もっていたばかりの朝は本当に静かで、まるで自分だけが世界にいるようです。

雪は天から送られた手紙である

長靴をはいて雪の上を歩いていくと、雪の感触で湿った雪か乾いた雪かわかります。今年の初雪は湿っていました。11月も始めだったので当然ですかね。2回目の雪は、ふぅっと息をかければ吹き飛ぶくらいの軽い雪。

乾燥した軽い雪の時には、目を凝らして雪の結晶を探します。

ひとつひとつがしっかり結晶化して六華のごとく花開いて見えたら本格的な冬なのだなぁと感じます。

雪の結晶

雪は空の高いところの気温や湿度などの条件によって結晶の形が変わると言います。これを発見したのは、中谷 宇吉郎さんという物理学者で、世界で初めて雪の結晶化に成功し人工雪を作った方です。

雪の結晶の形が違うのはなぜか。そんな疑問から研究を始めてたどり着いたのが、上空の気温と湿度によって結晶の形が変わるということ。つまり、雪の結晶の形を見れば地上にいながら上空の気温や湿度がわかるということを発見したのです。そんな彼が残した有名な言葉があります。

『雪は天から送られた手紙である』~中谷 宇吉郎『雪』より~

なんとも素敵な言葉です。

何でもないような変化を楽しむ

町のほとんどが自然の弟子屈町で、季節の変わり目のほんの小さな変化を楽しめるのは、自分がこの自然が好きだからなんですね。

早朝、雪の積もった硫黄山の蒸気が、冷え込みによって高く登れず低い位置にとどまる姿。そこに差し込む朝日の淡いオレンジ。雪は朝焼けも映してくれます。

それ以外にも、軒下のテントウムシだとか、すでにダイヤモンドダストが発生してたとか、日が落ちた後のグラデーションのかかった空の色の美しさだとか、夏よりもうんと清んで本当の宇宙のような濃紺の空に輝く星だとか。

輝く星

明日の朝は雪。

明日はどんな景色だろう。

それではまた!

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