
100km歩こうよ大会 in 摩周・屈斜路が開催されました。先日、実行委員会にインタビューさせていただいた記事はこちら。
[kanren postid="836"]「てしかがじかんのやまちゃん」として広報・サポートの立場で参加してきましたよ。歩いている参加者にはほぼお目にかかれない裏方にもフォーカスし取材してきました。巡回サポートしながらやっていたので表と裏をすべて抑えることはできませんでしたが、「感謝・感激・感動」という大会コンセプトの舞台裏で感じたことをレポートします。
大会公式HPにある「サポーターの1日」と「100km歩こうよのすすめ」合わせてみると面白いですよ。
目次
まるで災害ボランティアのような運営の裏側
大会の舞台裏。大会運営スタッフの動きを追いました。正直小さくまとめるのはほぼ不可能なくらい複雑な内容です。役割分担がしっかりしている上、何度も参加しているサポートメンバーが多いので役割以上の活躍を見せてくれました。
ざっくりと組織図に表すとこんな感じです。いや、もっと細かいこと言えばキリがないくらいあります。
今回で12回目となる大会はこれまで積み上げてきたノウハウがぎっしり。今回の大会は例年になく本当に順調に準備が進み、大会も大きな問題もなく進行されていって、実行委員長もうまくいきすぎて怖いくらいとコメントを残しています。その中からいくつかご紹介していきます。
資材運搬チーム
大会本部の川湯青少年会館ほか、全部で8か所のチェックポイント(以下CP)と3つのトイレ休憩所。使用する物資の量は半端じゃありません。こちらが大会前日の倉庫の様子。
ふとん、毛布、水50ケース(1200本!)、カセットボンベ、ブルーシート、協賛品、塩アメなどなど・・・。まるで災害時に集められる物資置き場のよう。これを仕分けして各チェックポイントに運びます。資材はこのほかにも、テント、机、椅子、レンタルトイレ、バルーン照明、発電機、石油ヒーターなど多岐にわたります。
これらの物資は、資材運搬車で各CP通過前に運び込み設営されます。なので、資材を運搬している方々と参加者が出会う機会はほとんどありません。見えないところを支えてくれているのが資材運搬チームです。
CPは参加者が通過する時間に合わせてテントブースが設営されています。序盤のCPは比較的早く通過するため時間が短くなっていますが、後半に行くにつれ開設時間が長くなります。序盤のテントは終了後すぐに撤収され、他のCPに運んで新たに設営するという流れになっています。
特に、中盤の第4~5CP以降は日没により真っ暗に。暗闇を照らす大型の照明と発電機を運ぶにはユニック(クレーン)が必要になります。資材運搬チームは暗くなる前に大がかりな作業をこなしていきます。
CPごとに水や物資を運んでいきますが、撤収されたCPの物資の回収も同時に行い、不足が出ないようにコントロールするのです。
やまちゃんもほとんど会うことが出来なかったので写真がないのですが、このチームの動きがなければ水が足りない、食料が足りない、休憩する場所がないといったことが起こっていたでしょうから、まったく表に出ないなかで支えてくれていました。本当に感謝です。
チェックポイントのエイド食 調理チーム
この大会の醍醐味のひとつでもある「エイド食」。地域食材を使ったメニューの数々。参加者が約200名ともなると作る量も半端じゃありません。今回は特に川湯温泉の飲食店が集まる料飲店組合のみなさんが調理している厨房に特別に入らせていただきました。
川湯温泉料飲店組合の皆様。味楽寿司さん、三三五五さん、まるはちさん、源平さん、スナックCOCOさん、ざっくばらんさん、NOBELさん、いまがわさん。普段お世話になっているお店の料理人たちが集結してつくっています。
おにぎりに使うご飯は午前中で五升!このほかにも午後に三升を炊くようです。1合あたりおにぎり3個できます。
おにぎりの具も鮭を焼いて丁寧に手でほぐしています。鮭フレークじゃないんですよ。本物です!
豚汁(ぶたじる)もかなりの量です。大量の豚肉を投入。200食以上ともなれば重量もハンパない。鍋が持ち上がらないので2つに分けています。
握ったおにぎりに海苔をまいてパッキング。これも手作業です。
早朝から準備を始めて、10:30には第2CPへ豚汁が運ばれていきまます。配る作業も手伝います。第2CPが終了すると、今度は夜の第6CPに向けて午後からカニ汁作りが始まります。そしてみなさんそのあとお店の営業。本当にお疲れ様です。
たのもしい地域の協力者たち
阿寒国立公園川湯地域運営協会|第2CP 屈斜路コタン
豚汁を配っているのは、阿寒国立公園川湯地域運営協会(略して運協)のみなさんとサポーター。豚汁は大評判でした。
こちらが豚汁とおにぎり。気温が30℃を超える暑い日でしたが、体に沁みわたりました。
チェックポイントの受付も運協でやっています。
弟子屈町役場と弟子屈高校の生徒ボランティア|第3CP 道の駅摩周温泉
道の駅では、地元弟子屈高校のボランティアがエイド食の配布のお手伝いに来てくれていました。駄菓子と川湯まんじゅうのサービス。
受付は弟子屈町役場の職員が担当。道の駅で使える割引券を配布しています。
ホームスイートホームの摩周そば|第4CP 900草原
疲れた体にさっぱりとした摩周そばとおにぎり。これとは別にジンギスカンも(有料)提供。
この辺りからサポートメンバーも大活躍です。ここまでで46.7km歩いてきています。丁寧に参加者へのマッサージを施します。
外には弟子屈町役場のスタッフも控えていました。この辺りからやまちゃんもリタイア者の送迎などサポートに回っていきます。
てしかがえこまち推進協議会 UD部会|第5CP ピュアフィールド風曜日
弟子屈町のまちづくり組織「てしかがえこまち推進協議会」のUD(ユニバーサルデザイン)部会があたたかいおもてなしで出迎えてくれました。氷で冷やした冷たい水がありがたかった。
100km大会は車いすでも障害を持っていても参加が可能。UD部会の取組みや第5CPとなっているバリアフリーな宿「ピュアフィールド風曜日」さんがあることも大きく関わっています。
特製カレーパン、自家製フキミソパン、ハスカップジャム・ルバーブジャムパンを用意してくれています。
次は最大の難所、高低差400mの摩周湖への登りの直前にあるチェックポイント。もう立ち上がるのがやっとな状況。なかなか動きだせず。
摩周湖のカニ汁とサポートの活躍|第6CP 摩周第一展望台
もはや真夜中午前3時。夜が明け始めています。摩周湖がうっすら見え始めて雲海に。この時間暗闇の中を歩く参加者の不安を少しでも和らげるため、巡回に回っていました。テントの中は野戦病院のようになっていて、暗さと参加者の疲労の顔を見ていたらとても写真を撮れず。エイド食のカニ汁も残り少なかったので遠慮しました。この大会で最も過酷な坂を登りきった参加者をひとりひとり優しくマッサージするサポートさんたち。疲労困憊。
もう一歩も歩けないと言っている人をケアしながら最後にはみんな立ち上がって出発していく姿を見送ります。これ以降のリタイア者がなんとゼロ!歩く人もサポートする人も互いに触れ合い励ましあう姿が強く印象に残っています。
森のホールさんの野菜のケーキ|第8CP 川湯駅前交流センター
人気のケーキ屋さん「森のホール」がつくる野菜のケーキ。最終チェックポイントのオープンは23:00。遅い時間につくって頂いています。このあと朝8:30までパラパラとやってくる参加者を待ちます。
このあと涙・涙の感動のゴールになります。しかし、ここから本部担当になったため写真がありません。facebookに記録がありますのでそちらをご覧ください。
最後に
「感謝・感激・感動」のテーマの裏には想像も出来ない努力の積み重ねがあった。
この大会が本当に多くの人に支えらて出来ているのは言うまでもないですね。特に何度も参加しているリピーター、参加者から実行委員会メンバーになった方々の力は大きい。12年間積み上げられてきたノウハウが今の形になった。大変な苦労だったと思います。
今回初めてサポートという形で参加させていただきました。ゴールの瞬間、ほとんど会話を交わすことのなかった参加者からも熱く、そして力強く握手を交わしたことは忘れられません。ちょっと泣いてしまいました。
24時間以上付きっきりでちょっと過剰なくらいのあたたかい心に触れたとき、大会にかかわったすべての人とふれあい、励まし、繋がった絆。
「弟子屈のファンになりました」と言って帰って行った若い参加者、「来年は完歩します!」と力強く宣言した参加者。こういった言葉を残してもらえることがなによりの宝なのだと強く感じた大会でした。
参加されたすべての皆様、本当にお疲れ様でした!