2018/11/4 てしかがじかんリニューアルしました!

星空ガイドのネタ帳|ギリシア神話を忘れてみる

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こんにちわ!やまちゃんです。

突然ですが、普段星空ガイドとして活動しているやまちゃんの持ちネタを公開したいと思います。

自然ガイドという仕事をする人はなかなか持ちネタを公開しないということが多いように思います。

しかし、それではガイドが何をしているかを知る機会が失われ、新たにガイドになる人材が発生しないのではないか。つまり、未来に繋げていくために必要な新しい星空ガイドを増やしたいと考えているのです。

そんな考えのもと、堂々公開しちゃいます!

ギリシア神話のエピソードはいったん忘れよう

やまちゃんが星のガイドしているフィールドは、現在3つ。摩周湖と屈斜路の森と津別峠。ガイド時間は約30分というのが基本です。それぞれのフィールドによって、ガイド内容は少しずつ変化します。場所によって見え方が違うためです。

ただ、星座や明るい星はどこで見ても変わらないので、基本部分である北極星や季節の星座、1等星名称の説明は同じになります。30分という時間では一通り名前を言うだけで終わってしまうこともあります。

短い時間で、いかに地域に特化し、プラネタリウムの案内と差別化して行くか。そこが重要と考えます。

ギリシャ神話を中心に話すだけでは一般的なので、いったんそれは忘れて切り口を変えて行くのが面白いと思います。

地域独自の星空感を出そう

屈斜路に降り立つ白鳥

はくちょう座と白鳥の飛来

10月後半のこと。代表的な夏の星座のひとつ「はくちょう座」が西の空に沈む頃、白鳥は屈斜路湖に飛来します。冬にシベリアから越冬のために屈斜路湖に飛来するオオハクチョウです。

はくちょう座が沈む時期と本物の白鳥が飛来する時期がほぼ同じなのです。

これは屈斜路湖でしか出来ないお話なんですよね。もしかしたら同じ条件の地域もあるかもしれないですが、こういうった地域独自の話は面白いです。

オリオン座と鹿の猟期

10月、エゾシカの猟が解禁になる季節です。エゾシカの猟期は冬なんですね。時を同じくして、10月の中旬にはオリオン座が姿を見せ始めます。

そして猟期は3月まで。オリオン座は4月に入ると西の空に沈みます。

オリオン座は英名を「the hunter(狩人)」といいます。ハンターが姿を見せている時が猟期なんですね。そう考えるとちょっと面白いです。

地域性という意味では、北海道全体で使えるネタですかね。道外でも場所によっては使えますね。

星にまつわるアニメや星がテーマの主題歌

星をテーマにした漫画やアニメは結構たくさんありますが、星空ガイドだったら目線が少し変わります。アニメは世代別に違うので合わせます。

北斗の拳

もっとも有名なのは「北斗の拳」。北斗七星から話を広げることができるのでとても簡単です。

北斗七星の死兆星

作中に登場する『見ると死ぬ』と言われる”死兆星”も北斗七星の一部。ひしゃくの形に見たときの左から2番目にある星が二重星(1か所に2つの星が重なっているもの)になっていて『ミザール』という2等星(肉眼ではこの星だけに見える)のすぐ近くにある『アルコル』という4等星が”死兆星”に当ります。視力が1.5以上あればアルコルは肉眼でも見えるそうです。

古代ギリシアでは徴兵の視力検査で用いられたと言われ、死兆星が見えると戦争に行くことになることから不吉な星とされたらしいです。

ぎょしゃ座と五車星

その他、いて座に含まれる南斗六星やぎょしゃ座の五車星などがあります。ただ、ぎょしゃ座は北天の空にあるので南斗五車星とは関係なく、単に形が五角形と言うだけです。

いて座と南斗六星

聖闘士星矢

(ペガスス座)

聖闘士聖矢は単純に、5人のブロンズセイントの星座と12星座なので単純です。フェニックス一輝のほうおう座は鹿児島以南でしか全体は見えないですが、あとは季節ごとにだいたい見えます。

銀河鉄道999/宇宙戦艦ヤマト/ウルトラマン

北斗の拳より少し上の世代は、このあたり。具体的にどの星がってこともないですが、その時代を思い返すことで子どもの頃見た満天の星空を思い出すきっかけになることもあります。

オリオン座とM78星雲と源平星

ウルトラマンのふるさと、M78星雲はオリオン座の3つ星の左側にあるメシエ天体のひとつ。ただ、地球からの距離は1600光年ですが、ウルトラマンの設定では300万光年離れていることになってるため、別物と考えられます。ちなみに、最近のウルトラマンは全然違う宇宙から来た設定になってます。

創世のアクエリオンと地球の歳差運動

「創世のアクエリオン(2005年)」は、その主題歌もヒットしたアニメです。

主題歌の歌詞中に、8000年と1万2000年というキーワードが出てきます。

1万と2000年前から愛してる 8000年過ぎたころからもっと恋しくなった

その数字を目にしたときに、星空ガイドはこんなことを考えてしまいます。

地球の歳差運動で8,000年後には「はくちょう座のデネブ」、12,000年後には「こと座のベガ(織姫星)」が北極星に変わることと何か関係がありそう!

まったく根拠ないですが、そういう風にとらえたくなっちゃうんですよね。

北極星が移動する歳差運動については、25,800年周期で北極星の位置が移動し1周するもので、地軸を芯としたコマに例えられますが、ややこしいので気が向いたら書きます。

化物語(EDテーマ)-君の知らない物語-

夏の大三角

比較的新しいアニメでは、西尾維新原作の「化物語-ばけものがたり-(2009年)」があります。ストーリーではなくアニメのエンディングテーマになった「君の知らない物語(supercell)」にこんなフレーズがあります。

「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」君は指さす夏の大三角 覚えて空を見る

この歌詞、実は2番なんですが、この歌で夏の大三角を覚えた!という方がチラホラいます。

和名で語ろう

源氏星と平家星

オリオン座とM78星雲と源平星

オリオン座の1等星は赤く輝く「ベテルギウス」と白く輝く「リゲル」の2つ。源氏と平氏の旗の色が赤と白だったことから名づけられたといわれています。

六連星(むつらぼし)

摩周岳とすばる

昴(すばる)はおうし座にあって、肉眼で見るとぼんやりとした”星のようなもの”に見えます。これは1か所にたくさんの星が固まっている星のかたまりで、プレアデス星団と言います。隣の星の明るさで隣の星の光を打ち消し合ってしまうため、ぼんやりと見えます。市販の双眼鏡を使えばたくさんの星があることが観察できます。

スバル拡大

目のいい人なら肉眼でだいたい6~7個。自動車メーカーのスバルのロゴマークが6つ星になっていますが、日本では6つとされることが多く、六連星と呼ばれている地域が数多くあるそうです。

麦星

アルクトゥスル麦星

春を代表する星座に「うしかい座」があります。その1等星アルクトゥルスは、春の星座の中で特に明るく輝きます。

アルクトゥルスは、春に東の空の低い位置で一際目立ち、秋には西の空で目立って見える星のため、麦を蒔く春と麦を刈る秋の目印として「麦星」と呼ばれます。

1000年前の星に思いを馳せる|日本文学から見る星空

今見ている星は昔も同じだったのか。ガイドをしているとふとそんなことを考えることがあります。星座の起源は、フランスのラスコー壁画に描かれた黒い点々がスバルや夏の大三角を模したと言われます。実に1万年以上前の話。

そして、3000年前の古代ギリシアの時代につけられたものが名前の起源で、様々な歴史を経て現在の88星座になったと言われます。

では、日本ではどうだったのか。これは調べてもイマイチはっきりしないのです。それならば、日本の古典文学に登場する星を探そうと思いたどり着いたのが、清少納言の「枕草子」です。

枕草子の「星」「月」「日」「雲」の段

枕草子は随筆として知られていますが、今風に言うとエッセイ集。清少納言が好きな情景を表したもの。

その中にこんなフレーズがあります。

星は、すばる。彦星。ゆふづつ。よばひ星、少しをかし。尾だになからましかば、まいて。

(訳)星はまず昴。それに彦星や金星が良い。流れ星も興味深い。ただ尾がなければもっと良いのに。

昴も彦星も金星も現代の星と同じ。清少納言も1000年前に同じ星を見ていたんだなぁと。星には壮大なストーリーがあるなぁって思います。

よばひ星は、夜這い星。
夜這いをするのに尾を引いては目立ってしまうから、なかったら良いのに。という意味です。

今、流れ星を見ても「願い事3回しなきゃ!」って思うくらいですが、文学的な見方をすると情緒的で素敵です。

この他にも、日と月、それから雲の段にも月が出てきます。

月は、有明の東の山ぎはに、細くて出づるほど、いとあはれなり。

日は、入日。入りはてぬる山の端(は)に、光のなほとまりて、赤う見ゆるに、薄黄ばみたる雲の、たなびきわたりたる、いとあはれなり。

雲は、白き。紫。黒きもをかし。風ふくをりの雨雲。あけはなるるほどの黒き雲の、やうやう消えて、白うなりゆくもいとをかし。 「朝(あした)にさる色」とかや、ふみにもつくりたなる。月のいとあかきおもてにうすき雲、あはれなり

どれも最後は「あはれなり」となっていて、しみじみと趣がある情景ということがわかります。

文学的な観点を持つと味が出ますよ。

英語で語ろう

最近では外国の方が参加する事も多くなりました。星座を英語で話すのは、非常に専門的な単語が多くて、通訳の方でも困惑するほど。なので、基本的な単語だけでも覚えて置くといいです。それから、通じることが重要。

北斗七星 SevenStars – big dipper – Plough

北斗七星は、翻訳ツールで調べると「big dipper(ひしゃく)」と出てきます。これはアメリカ英語です。イギリス英語では「plough-プラウ-(農具の鋤)」と言います。しかも、どっちも「ピンとこないぜ」みたいな顔されるので、「seven stars」といったら、「AHHHH!」と納得してくれます。

スバル Pleiades – Seven Sisters

星の学名というか一般的な呼び名は”ラテン語の英語読み”みたいなところがあるので、ややこしいし覚えにくいです。

和名のところでも出てきた昴ですが、英名を「seven sisters」と言い、ギリシア神話のプレイアデスの7姉妹を意味します。Pleiades よりもわかりやすいですね。

天の川 MilkyWay – Galaxy

天の川は正式名称を「天の川銀河」といい、私達が住む地球はその銀河の渦の外の方にあります。銀河の中心に向かってみると白いミルク色の川のように見えることから「milkyway」となっています。

ただ、この英語は国によって通じないことがあります。そんな時は「Galaxy」というと納得してくれます。文化的な違いなんでしょうかね。日本の天の川は固有名詞で「Amanogawa」でも通じたらいいのに。

かわいい天体を紹介してみる

あまり宇宙っぽくならないようにガイドしようとすると、天体は有名なもの以外説明しないです。肉眼ではほとんど見えないですし。ただ、名前がかわいいと言うだけの理由で紹介する事もあります。

北極星とハートの指輪

北極星とハートの指輪

北極星をずーっと拡大していくと、ハートの指輪のように見えることから「北極星とハートの指輪」と名付けられた形が見えてきます。意外と知られていないようですが、ハートの星座はないのであえて話すこともあります。

ただ、北極星自体が2等星なのでその周りの暗い星は肉眼では見えないです。望遠レンズで330mmくらいあれば撮影出来ます。北極星に近く、星の動きも小さいので意外と簡単に撮影出来ました。

最後に

いかがでしょうか。ギリシア神話以外でもいろいろな切り口はあるものです。

星空ガイドになるには春夏秋冬の主要な星座や星の名前を覚える必要があります。といっても接客業ですからね。お客様に合わせて話ができるならそれが一番よいのです。

その点、プラネタリウムや大規模な星空イベント、団体の受入れは一方的に話すばかりで、コミュニケーションが少なくなります。だから、どうしても画一的なギリシア神話にならざるを得ないのです。

やまちゃんのガイドはここで語ったストーリーと基本ガイドとして「星の探し方」を織り交ぜます。その日の空(月・雲・時間)によっても変わります。多様な話ができるようになるのは強いですね。

そんなわけで、星空ガイドのネタ帳を少しだけお見せしましたよ!

それではまた!

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北極星とハートの指輪

てしかがじかんデザイン部

自ら情報発信できるスキルを身につけて、自分の力で効果的に発信しよう!
という願いを込めて、初心者にもわかりやすく解説します。

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てしかがじかん編集長のやまちゃんです。 メディア運営をメインに、摩周湖・屈斜路湖周辺でネイチャーガイドをしています。