
凍った屈斜路湖の上を落ちる前提で行く氷上の冒険
冬の屈斜路湖。2月には全面結氷し次第に氷は厚くなっていく。そこを歩いてみたらどうなるか。
ガイドさんから誘われて屈斜路湖の和琴半島の周りをぐるっと1周歩いてきました。
とはいえ、普通に歩いたらとても危険。火山で形成された屈斜路湖はいたるところから温泉が湧いています。写真のように穴があいたり、氷が薄くなってい場所が無数にあるからです。
そこで、知床の流氷ウォークのように水に落ちても平気なドライスーツを着用して、和琴半島を湖上から一周してきました。
氷の上を歩く
屈斜路湖の西側にある和琴半島。春は桜並木と散策路、夏はキャンプ、秋は紅葉の名所、冬は結氷が始まる前にしぶき氷や凍り始めてから見られるフロストフラワー、早朝の霧氷など、見どころ満載な人気のスポット。
和琴半島のつけ根には2つのキャンプ場があり、無料で入れる露天風呂も人気。トイレも整備されている。ただ、屈斜路湖が結氷した後はあまり知られていない。
そこで、安全を確保したうえで氷の上を歩いてみたらどんな景色が待っているのかを見てきました。
落ちる
安全を確かめるためには、落ちるしかない!ということで、やまちゃん自ら実験台に!ドキドキです!
浮力があって、足がつかない場所でも浮くことが可能なドライスーツを着て、とりあえず落ちて見ました!その雄姿をご覧ください(笑)
めっちゃ浮きます。そして全然冷たくない。水温は4℃~8℃くらいのはず。
浮き過ぎるので立ち泳ぎに変えました。
隠れ温泉
隠れた温泉もあります。散策路からは見えない位置に誰かがブロックを積み上げて作った隠れた温泉スポットがあります。
上から見るとこうなっています。夏はカヌーで行くことができます。
オヤコツ地獄
和琴半島のオヤコツ地獄は温泉が湧き出ているスポット。通常は散策路を歩いて上から見ます。ここまで1km弱。30分くらいだったかな。ここに来るだけでも価値があります。
氷が薄いので一歩一歩がドッキドキです!
上から見るとこんな感じ。温泉がたくさん出ていて特に春先には美しいコバルトブルーが見られます。通称「オヤコツブルー」。
特に蒸気が上がっているところでは100℃近い温泉が出ています。夏にはカヌーで上陸して遊べるスポットです。ここは動力船自主規制エリアなので、カヌーのような手こぎの船でしか行けません。今回は氷上からの訪問。
温泉とアイスバブル
オヤコツ地獄の周りにある温泉湧出ポイントでは、下から泡がぶくぶく出ています。これが凍ると、
アイスバブルは氷の下に閉じ込められた気泡が凍って出来る現象。バブルの上を歩くことも出来ます。
いろんな姿が見られます。アイスバブルにはいろんな形があり、バラの花のようになることもあります。
ただし、ここまで来ると油断して・・・
湖側から見るしぶき氷
屈斜路湖が凍る前には、波しぶきによってつくられる氷のアート「しぶき氷」が見られます。
北斜面は強い北風が当たるため大きなしぶき氷になります。ただ、この場所は歩いていくことができないので夏はカヌーで、冬は氷上を歩いていくしかありません。
背丈よりもずっと高く、大きいもので3mを超えるしぶき氷が見られます。
神さまが歩いた跡"カムイ パイカイ ノカ"
オヤコツ地獄より北側には"神が歩いた跡"「カムイ パイカイ ノカ」が出来ていました。サイズは小さいものの手前にはアイスバブルが見られ、バックには藻琴山となかなかない組み合わせがあるのも特徴。
温泉スポットにいる白鳥
ぐるっと1周すると最後に白鳥が待っていました。温泉で暖かいのか気持ちよさそう。
最後に
氷上フィールドワーク。思った以上に大冒険でした。足をのせると氷が薄い場所はすぐわかるのでドキドキしながらの2時間。
今はまだ一般向けツアーには出来ないですが、まだ行ったことがない場所、まだやったことがない体験は楽しいです。オヤコツ地獄で温泉卵を作ってみたり、今回やらなかったこともたくさんあります。
もちろん安全性は最重要課題ですから、検証に検証を重ねる必要があるでしょう。何月から何月まで出来るのか、道具はそろうのか。ツアー化するには時間がかかります。
でも、こんな風にまだ見ぬ新しい体験を作り出せたら、きっと楽しくなると思います。そういう動きをするガイドさんも出てきています。弟子屈の冬はまだまだ知られざる魅力がたくさんあるのです。
また新しい何かを見つけたらお知らせしますね!
それではまた!